Division of Microbiology and Infectious Diseases
Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences

研究内容_4

> 肺炎球菌の病原因子および細菌性肺炎重症化機構の解析

肺炎球菌の病原因子および細菌性肺炎重症化機構の解析

 日本では肺炎による死亡数が年々増加しており、現在死因の第3位となっています。我々の研究室では,肺炎の主な原因菌である肺炎球菌が保有するニューモリシンと呼ばれる病原因子に注目し、解析を行っています。その結果、ニューモリシンは好中球の細胞膜を融解し、エラスターゼを漏出させることを明らかとしました(図1)

図1.ニューモリシンにより好中球から漏出するエラスターゼ(緑色)

 好中球エラスターゼは、細菌など異物の分解、消化に関与する重要な生体防御因子の一つです。しかしながら、このエラスターゼが過剰に分泌されると、肺組織さえも傷害してしまうことが推察されています。図2は、肺胞上皮細胞にエラスターゼを作用させると、細胞は形態が丸く変化し、培養プレートから剥離する様子を示しています。また、エラスターゼはマクロファージに作用すると、異物を飲み込む作用(貪食作用)が阻害されることも明らかとなりました。

図2.エラスターゼにより培養プレートから剥離する肺胞上皮細胞

 以上の結果をまとめたものが図3です。
肺炎球菌は菌体からニューモリシンを放出し、好中球を攻撃してエラスターゼを細胞外に漏出させます。エラスターゼは肺胞上皮によるバリアを崩壊させるとともに、マクロファージによる貪食作用を阻害することにより、さらなる感染拡大および肺組織傷害を達成している可能性が考えられます。
 当研究室では、今後も肺炎球菌の病原因子について研究を行っていく予定です。

図3.肺炎球菌による肺組織傷害メカニズム



sp
sp

Back to Top